安室奈美恵 のラストツアーから思ったこと
「神」という言葉が今ほどたやすく使われていなかった1990年代。でも確実に時代を創っていた安室奈美恵ちゃん。
田舎者女子高生だった私のまわりでルーズソックスは3年遅れでようやく流行が到達していた。だから安室ちゃんはまずしすぎて、ファンと公言するのがなんだか気後れしてた。というわけで、「熱烈ファン」ではなかったけど、心のどこかにいて、大人になるにつれ、その生き方・輝きに共感して、どんどん存在が大きくなっていた安室ちゃん。
そんな安室ちゃんが、引退するですとーーー去年のショックは大きすぎた。
好きなのにいつか行けるとライブに行ってなかった。
そして、執念が通じたのかCDDVD購入者向けチケットに当選。2/24(土)福岡ドームに行ってきました。豆粒サイズの安室ちゃんだったけど、30曲2時間40分の夢のような時間。
終わってから1日間はほぼ放心状態。書き留めるほどに熱い気持ちが落ち着いてきたので、ライブのレポートをします。
■アスリートのような激しさ
DVDでは見てたけど、実物は想像以上の高エネルギーとスピード感。オリンピックの競技を見ているようなドキドキ感です。次は何を繰り出してくるんだろうという。7センチヒール(推定)で100メートルはありそうなステージを走り回る、階段を駆け下りる、2時間40分ぶっ続けってどんな脚力だよ。こっちは、スニーカーなのに、隙あらば座って鑑賞するという体たらく(;^_^A。
■25年間フルで走り続ける根本にあるもの
25年前、何してました??と自分に聞いてみると、中学生だよ。バスケットやってたし。今その時と同じ試合と練習できるとは思えない・・・!
安室ちゃんと同じ時期、同じステージに立っていた、MAXやスピードはじゃあ同じ状況で今舞台に立てているかというと、路線が変わりすぎている。TVで見ても懐かしの人状態。だから安室ちゃんは10代の大ヒットソングを40歳で歌って、変わらずワクワクさせてくれるだけでもものすごい。それができたのは、25年前当時に急激に売れ始めたときから調子に乗らずにずっと真摯に音楽に向き合ってきた証。努力はうそをつかないし、時間が努力の味方をするんだ。
■最後の挨拶は普通のひと
ライブでは、歌って踊ってMCなしが定番の安室ちゃん。今回は特別に最後に肉声で挨拶をしてくれた。それが、あまりに普通の女の人の挨拶。まるで送別会で最後に急に話を振られたようないい意味で素人ぽかった。そのギャップが人間らしくて。ニュースでいろいろ大変なプライベートも報じられるけど、この人にも普通の生活や悩みもあるんだろう。もし引退して普通に道を歩いていたりしたら、友達になりたいくらいだ。
■ファン想いの体現
今回は転売がないように超厳戒態勢。申し込み時から、同伴者も名前、メアドなど本人特定していて、入り口でも顔写真入り本人確認を徹底。たとえ本人だとしてもそれが確認できないと入場さえできなかったらしい。もし直前に行けない人は、公式事務局経由で募集をし再度希望者を抽選するというやり方であ安心できた。幅広い人に気持ちよく見てほしいという安室ちゃんの想いがここにも表れてると思った。
■続けてほしかったけど
マーケティング的には「成熟期」に入っていて、「衰退期」が来るのが本人には耐えられなかったんだろう。それも「市場」や「販路」を変えて、例えば「紅白だけ歌手」とかでも十分仕事としては成り立つんだろうけど、安室奈美恵はライブで「生もの」として売っていくのが最高の価値だと自分で決めているからの決断だろう。うん。
「アムラー」となるには田舎者すぎた私。でも心のどこかでずっと憧れていた安室ちゃん。最後に会えて、引退するのが納得できてよかった。
これからも、ずっと憧れの人だ。